AI駆動開発の設計パターンを公開 – より良いAIエージェント開発のために

株式会社フィールフロウ 取締役CTO 岡崎 太
はじめに
AIエージェント開発が急速に普及する中、多くの開発チームが「どのように設計すれば良いのか」という共通の課題に直面しています。私たちフィールフロウは、生成AIコンサルティングとシステム開発を通じて蓄積したノウハウを、業界全体の発展のために公開することにしました。
本日、AI駆動開発(AI-Driven Development)の設計パターンをGitHubにて無料公開いたしました。
📦 リポジトリ: https://github.com/feel-flow/ai-driven-design
📝 ライセンス: MIT License(商用利用可・改変可)
なぜ今、公開するのか
AIエージェント開発の「当たり前」化
2025年、私たちは明確な転換点にいます。AIエージェントは実験的な技術から、ビジネスに不可欠なインフラへと進化しました。しかし、その設計手法は各社が独自に模索している状況で、業界標準となるベストプラクティスが確立されていません。
この状況を変えるため、私たちは自社のナレッジをオープンソースとして公開することを決断しました。
集合知による進化を目指して
完璧な設計など存在しません。私たちの設計パターンも、あくまで現時点でのベストプラクティスです。だからこそ、コミュニティの皆様からのフィードバックが重要です。
「もっとこうした方が良い」「このケースではこの設計が有効だった」といった知見を共有いただければ、それを反映し、より洗練された設計パターンへと進化させていきます。
公開した設計パターンの特徴
1. 実践的なアーキテクチャパターン
実際のプロジェクトで検証済みの設計パターンを、具体的な実装例とともに提供しています。理論だけでなく、明日から使える実践的な内容にこだわりました。
2. スケーラビリティを考慮した設計
小規模なPoCから大規模システムまで、段階的に拡張可能な設計思想を採用。プロジェクトの成長に合わせて、無理なくスケールできる構造になっています。
3. エラーハンドリングとフォールバック戦略
AIシステム特有の不確実性に対処するため、堅牢なエラーハンドリングとフォールバック戦略を組み込んでいます。プロダクション環境での安定稼働を前提とした設計です。
想定される活用シーン
このリポジトリは、以下のような方々を想定しています:
開発チーム向け
- AIエージェントの開発を始めたいが、どこから手をつければ良いか分からない
- 既存システムにAI機能を統合したいが、アーキテクチャに悩んでいる
- チーム内で設計方針を統一したい
技術責任者向け
- AI駆動開発の導入を検討しているが、リスクを最小化したい
- 開発標準を策定する際の参考資料が欲しい
- 他社の実践例を参考にしたい
コミュニティへの招待
このプロジェクトは、皆様との協働によって成長します。
貢献の方法
- Issue での議論: 設計に関する質問や提案を歓迎します
- Pull Request: 改善案があれば、ぜひPRをお送りください
- 事例の共有: 実際に使ってみた結果や改良点を教えてください
- スターによる応援: プロジェクトを多くの人に知ってもらうために
直接のご連絡も歓迎
GitHubでの公開ディスカッションに加えて、より詳細な議論や具体的なご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。
フィールフロウの想い
私たちフィールフロウは、「生成AIの民主化」を信じています。一部の企業だけがAIの恩恵を受けるのではなく、あらゆる規模の組織がAIを活用できる世界を目指しています。
今回の公開は、その第一歩です。オープンソースコミュニティの力を借りて、日本のAI開発水準を世界トップレベルに引き上げたいと考えています。
最後に
AI駆動開発は、これからのソフトウェア開発の標準となります。その波に乗り遅れないために、そして日本のAI開発コミュニティ全体が成長するために、私たちの知見を惜しみなく共有します。
ぜひリポジトリをご覧いただき、皆様のプロジェクトにお役立てください。そして、改善点があれば遠慮なくフィードバックをお寄せください。
一緒に、より良いAI駆動開発の未来を創っていきましょう。
リポジトリ: https://github.com/feel-flow/ai-driven-design
株式会社フィールフロウについて
私たちは生成AIのコンサルティングとシステム開発を通じて、企業のDX推進を支援しています。今回公開した設計パターンの実装支援や、より高度なカスタマイズについてのご相談も承っております。