VS Code 1.106: AIエージェント時代の開発環境が到来 – 開発生産性を加速する3つの重要アップデート
2025年11月12日にリリースされたVisual Studio Code 1.106は、AI駆動開発の新時代を象徴するメジャーアップデートです。特に注目すべきは、AIエージェントの統合管理、セキュリティ強化、そして開発者体験の向上という3つの柱です。生成AIコンサルティングを提供する株式会社フィールフロウの視点から、ビジネス価値と技術的意義を解説します。
1. Agent HQ: 複数AIエージェントを一元管理する時代へ
なぜ重要なのか
現代の開発現場では、GitHub Copilot、OpenAI Codex、CLI エージェントなど、複数のAIエージェントを使い分けるシーンが増えています。しかし、それぞれのセッション管理がバラバラでは、生産性が低下します。
ローカルとクラウドのAIエージェント – 詳細解説
VS Code 1.106で統合管理の対象となる「ローカル」と「クラウド」のAIエージェントについて、具体的に解説します。
ローカルAIエージェントとは
VS Code内で直接実行されるAIエージェントを指します。
具体例:
- VS Code内のGitHub Copilot Chat: エディタ内のチャットパネルで対話
- Inline Chat: コードエディタ上で直接対話(
Ctrl+I/Cmd+I) - カスタムエージェント:
.github/agentsに定義したローカル実行エージェント
特徴:
- VS Codeのウィンドウ内で完結
- エディタのコンテキスト(開いているファイル、選択範囲など)に即座にアクセス
- レスポンスが高速(ローカルで処理されるため)
- VS Codeを閉じると停止
使用シーン:
開発者がVS Codeで作業中
↓
エディタ内でCopilot Chatに質問
↓
「この関数をリファクタリングして」
↓
その場で回答を得てコードを編集
↓
VS Code内で完結(数秒〜数十秒)
クラウドAIエージェント(バックグラウンドエージェント)とは
VS Codeの外部、GitHub等のクラウド環境で実行されるAIエージェントを指します。
具体例:
- GitHub Copilot Coding Agent (旧 GitHub Copilot Workspace)
- GitHubのクラウドインフラ上で実行
- https://github.com/copilot/agents (GitHub Mission Control)からも管理可能
- ブラウザから起動し、バックグラウンドで大規模なコード変更を実行
- GitHub Copilot CLI
- ターミナルから実行される
gh copilotコマンド - GitHubのサーバーと通信してタスクを実行
- VS Codeとは独立して動作可能
- ターミナルから実行される
- OpenAI Codex (拡張機能経由)
- OpenAIのクラウドサービス
- VS Code拡張機能経由でアクセス
特徴:
- VS Codeを閉じていても実行し続けられる
- 長時間かかるタスク(大規模リファクタリング、複数ファイルの一括変更など)に適している
- 計算リソースが豊富(ローカルマシンの性能に依存しない)
- 非同期的に動作(バックグラウンドで処理)
使用シーン:
開発者がGitHub上で大規模リファクタリングを依頼
↓
GitHub Copilot Coding Agentがクラウドで実行開始
↓
開発者はVS Codeを閉じて別の作業(ランチに行く、会議に出るなど)
↓
数十分後、VS CodeのAgent Sessions Viewで完了を確認
↓
変更をレビューして取り込む
クラウドエージェントの実行環境
クラウドAIエージェントは、コンテナベースの一時的な実行環境で動作します。
GitHub のクラウドインフラ
├─ コンテナ実行基盤(Kubernetes等)
│ └─ エージェント用コンテナ(タスクごとに起動)
│ ├─ Gitリポジトリのクローン
│ ├─ 開発ツール(Node.js, Python等)
│ ├─ AIモデルとの通信
│ └─ コード編集・実行
│
└─ タスク完了後 → コンテナ破棄
GitHub Codespaces との違い:
| 項目 | Codespaces | Copilot Coding Agent |
|---|---|---|
| 実体 | 永続的な仮想マシン | 一時的なコンテナ |
| 用途 | 開発者が直接操作 | AIが自律的に作業 |
| ライフサイクル | 明示的に停止するまで存続 | タスク完了で自動破棄 |
| VS Code接続 | リモート接続して直接操作 | 監視のみ(直接操作不可) |
| 課金 | 使用時間に応じた従量課金 | Copilotプランに含まれる(詳細は後述) |
セキュリティとリソース管理:
- 各タスクは独立したコンテナで実行(サンドボックス)
- 他のユーザーのタスクとは完全に分離
- リソース制限(CPU、メモリ、実行時間)が設定されている可能性が高い
- タスク終了後は環境を完全に破棄(セキュリティとコスト効率)
Agent Sessions Viewによる統合管理
VS Code 1.106のAgent Sessions Viewは、これらすべてを一つのビューで管理できる機能です。
Agent Sessions View
├─ Local Sessions (ローカルセッション)
│ ├─ VS Code Chat Session 1: "認証機能の実装方法"
│ ├─ VS Code Chat Session 2: "SQLクエリの最適化"
│ └─ Inline Chat Session: "変数名のリファクタリング"
│
└─ Background Agent Sessions (クラウド/バックグラウンドセッション)
├─ GitHub Copilot Coding Agent: "API全体のTypeScript移行" (進行中 45%)
├─ GitHub Copilot CLI: "テストカバレッジの向上" (完了)
└─ OpenAI Codex: "ドキュメント自動生成" (待機中)
従来の問題点:
- ローカルのチャットはVS Code内で管理
- クラウドのタスクはGitHubのWebサイトやCLIで個別に確認
- どこで何が動いているか把握しづらい
VS Code 1.106以降:
- すべてのセッションを一元管理
- ローカル/クラウドを意識せずにタスクを委譲
- 検索機能で過去のセッションも素早く参照
実際の開発フロー例
シーン: 両方を組み合わせた効率的な開発
1. [ローカル] VS Codeのチャットで設計を相談
「RESTful APIの設計パターンについて教えて」
→ 即座に回答(数秒)
2. [クラウドに委譲] 大規模な実装をGitHub Copilot Coding Agentに依頼
「この設計に基づいて、10個のエンドポイントを実装して」
→ バックグラウンドで実行開始
→ VS Codeを閉じて昼食
3. [ローカルで監視] Agent Sessions Viewで進捗を確認
→ 「API全体の実装 (進行中 75%)」
→ 完了通知を受け取る
4. [ローカルで調整] 生成されたコードをレビュー
→ Inline Chatで細かい調整
「このエラーハンドリングをもっと詳細にして」
→ その場で修正(数秒)
5. [クラウド] テスト生成をCLIエージェントに依頼
「すべてのエンドポイントのテストケースを生成」
→ バックグラウンドで実行
課金体系について(重要な注意事項)
VS Code 1.106のリリースノートには、クラウドエージェントの具体的な課金体系や使用制限に関する記載はありません。
現時点(2025年11月)で確認できるGitHub Copilotの一般的なプラン:
- GitHub Copilot Individual: 月額 $10
- GitHub Copilot Business: ユーザーあたり月額 $19
- GitHub Copilot Enterprise: ユーザーあたり月額 $39
不明な点:
- クラウドエージェントの使用回数制限
- 実行時間の上限
- 追加課金の有無
- プランごとの機能差
推奨事項: 企業で導入を検討される場合は、以下を事前に確認することをお勧めします:
- GitHub Copilot公式ドキュメントで最新情報を確認
- GitHub Copilot料金ページでプランの詳細を確認
- GitHub営業担当者に具体的な使用制限と課金体系を問い合わせ
- パイロット導入で実際のコストを測定
Agent Sessions View の主な機能
統合表示と管理
- ローカルとクラウドのAIエージェントセッションを統合表示
- デフォルトで有効化され、
chat.agentSessionsViewLocation設定で管理可能 - 検索機能(⌥⌘F / Ctrl+Alt+F)でセッションを素早く検索
- ソース別にセクション分けされ、見やすく整理
設定オプション
{
// Agent Sessions Viewの表示位置
"chat.agentSessionsViewLocation": "default", // または "single-view"
}
single-viewオプションを有効にすると、すべてのプロバイダーのセッションを一つの統合ビューで表示できます。
Plan Agent(プランエージェント)の詳細
実装前の計画を重視する新しいアプローチ
従来の問題:
- いきなりコード生成を始めて、要件漏れが発生
- 手戻りが多く、開発コストが増大
- AIの判断基準が不明確
Plan Agentの解決策:
1. タスクの詳細をヒアリング
「どのような機能を実装しますか?」
2. 不明点を質問
「認証方式はJWTでよろしいですか?」
「エラー時の動作は?」
3. 実装計画を生成
ステップ1: データモデルの定義
ステップ2: APIエンドポイントの実装
ステップ3: バリデーションロジック
ステップ4: テストケースの作成
4. 開発者が計画を承認(またはフィードバック)
5. 承認後、ローカルまたはクラウドで実装
カスタムプランエージェントの作成
チャットビューからConfigure Custom Agentメニューを選択し、組み込みのplan agentをコピーして、以下をカスタマイズ可能:
- 計画スタイル(詳細度、ステップ数など)
- 使用するツール
- プロンプトのテンプレート
- チーム固有の開発プロセス
Cloud Agents & CLI Integration の強化
GitHub Copilot Coding Agentの統合改善
- GitHub Pull Request拡張機能からCopilot Chat拡張機能に統合
- よりネイティブなクラウドエージェント体験
- VS CodeとGitHub Mission Controlのスムーズな連携
- Agent Sessions ViewからブラウザでクラウドセッションをDIRECT開く
Copilot CLIの初期統合
# ターミナルまたはCLIエディタから
gh copilot suggest "すべてのマイグレーションファイルを作成"
# VS Code内で実行 → Agent Sessions Viewで監視
# 完了後、結果を確認してコミット
CLIエージェントの機能
- チャットエディタまたは統合ターミナルでセッション作成・再開
- メッセージ送信(ターミナルと同じ感覚)
- モデル切り替え
- コンテキスト添付
/delegateコマンドでCopilot Coding Agentに委譲
エディット追跡機能 バックグラウンドエージェント(Copilot CLI等)が行った編集を、以下の方法で追跡:
- インライン編集ピル(コード内に表示されるマーカー)
- Working Set View(変更されたファイルのリスト)
これにより、AIが何を変更したか一目で把握できます。
ビジネスインパクト
開発チームにとって:
- エージェント管理の一元化により、複数のAIツールを効率的に使い分け
- 計画段階での品質向上が手戻りを削減
- バックグラウンド実行により、開発者は並行して別の作業が可能
マネージャー・経営層にとって:
- 開発コストの最適化(手戻り削減)
- 開発プロセスの可視化(Plan Agentで計画が明確に)
- リソース効率の向上(クラウドエージェントで長時間タスクを委譲)
具体的な効果(想定):
- 大規模リファクタリングの時間: 数日 → 数時間
- 要件漏れによる手戻り: 30%削減
- 開発者の待ち時間: バックグラウンド実行で実質ゼロ
2. カスタムエージェント: チーム固有のAIワークフローを構築
Chat Modesから Custom Agentsへ
Chat Modesが「Custom Agents(カスタムエージェント)」に名称変更され、機能も大幅に強化されました。
定義ファイルの場所と互換性
.github/agentsディレクトリに配置.agents.md拡張子を使用- GitHub Copilot Cloud AgentsおよびCLI Agentとの互換性
- 既存の
.chatmode.mdファイルは自動的にカスタムエージェントとして扱われる
強化されたメタデータ
target: vscode
name: Custom Development Assistant
description: チーム専用の開発支援エージェント
argument-hint: タスクの詳細を入力してください
model: gpt-4
tools: [edit, search, custom-tool]
handoffs: [review-agent, test-agent]
target属性による環境最適化
target: vscode– ローカルチャット向けに最適化、すべてのVS Codeツールが利用可能target: github-copilot– Copilot CloudエージェントやGitHub CLI向けに準備
handoffs機能 複数のエージェントを連携させ、マルチステップワークフローを構築できます。例えば、コード生成エージェント → レビューエージェント → テストエージェントという流れを自動化できます。
ビジネスインパクト
カスタムエージェントにより、企業固有の開発プロセスやコーディング規約をAIに組み込めます。これは、品質の標準化と新人教育コストの削減に直結します。
3. セキュリティと信頼性: AIツールの安全な運用
ツール承認とトラスト管理
外部データの事後承認 外部データを取り込むエージェントツール(#fetchツールやMCPツール)は、データ使用前にレビュー可能になりました。これにより、プロンプトインジェクション攻撃のリスクを軽減できます。
サーバー/拡張機能レベルでの一括信頼 MCPサーバーや拡張機能を単位として、すべてのツールを一括承認できます。これにより、個別承認の手間を削減しつつ、セキュリティを維持できます。
Terminal Toolの大幅改善
パーサー統合による安全性向上
- PowerShell文法またはbash文法を使用した高度なコマンド解析
- パイプ(
|)や条件演算子(&&)を文字列内で正確に識別 - 複雑なコマンドでもサブコマンドを正しく抽出
実験的機能
- ファイル書き込み/リダイレクト検出:
chat.tools.terminal.blockDetectedFileWrites - デフォルト自動承認ルールの無効化:
chat.tools.terminal.ignoreDefaultAutoApproveRules
ターミナルコマンドのチャット添付 コマンドライン、キャプチャされた出力、終了コードをコンテキストとしてチャットに添付可能。トラブルシューティングが効率化されます。
ビジネスインパクト
セキュリティ機能の強化により、企業はAIツールをより安心して導入できます。特に金融、医療、公共機関など、セキュリティ要件が厳しい業界での採用が加速するでしょう。
4. コード編集とエディタ体験の向上
Diff EditorとInline Suggestionsの改善
削除されたコードの選択が可能に インラインDiffビューで、削除された行をコピー&ペーストできるようになりました。コードレビューやリファクタリングの効率が向上します。
Inline Suggestionsがオープンソース化 GitHub Copilot Chatリポジトリにマージされたことにより、開発コミュニティの貢献が期待されます。GitHub Copilot拡張機能とGitHub Copilot Chat拡張機能が統合され、2026年初頭にはGitHub Copilot拡張機能が非推奨になります。
Gutter IconからInline Suggestionsを一時停止 ガターアイコンから直接、提案を一時停止できるようになりました。集中作業時に便利です。
Go to Lineコマンドの強化
::599 # 599文字目にジャンプ
::-100 # ファイル末尾から100文字前にジャンプ
:12:-1 # 12行目の最後の文字にジャンプキャラクタオフセットでのナビゲーションに対応し、エラーメッセージからのジャンプが容易になりました。
新しいアイコンセット
Codiconアイコンセットがリニューアルされ、曲線や新しいモディファイアデザインにより、モダンでフレンドリーな見た目になりました。
5. ターミナルIntelliSenseが正式版に
1.5年間のプレビュー期間を経て、ターミナルIntelliSenseが正式機能になりました。
対応シェル
- PowerShell
- bash
- zsh
- fish
主な機能
- エディタと同様のIntelliSenseをターミナルで提供
- パス補完はコアで処理
gitなどのコマンドでは、ブランチ名なども補完copilot、azdCLIの補完にも対応
カスタマイズ可能な設定
{
"terminal.integrated.suggest.quickSuggestions": true,
"terminal.integrated.suggest.suggestOnTriggerCharacters": true,
"terminal.integrated.suggest.runOnEnter": false,
"terminal.integrated.suggest.insertTrailingSpace": true
}
ビジネスインパクト
ターミナル作業の効率化により、DevOpsやインフラエンジニアの生産性が向上します。特にCLIツールを多用する環境では、作業時間の大幅削減が期待できます。
6. Model Context Protocol (MCP)の強化
組織レベルのMCPサーバー管理
GitHub組織ポリシーによるMCPレジストリ設定
chat.mcp.gallery.serviceUrl: MCPレジストリのエンドポイントURLchat.mcp.access: レジストリ内のサーバーのみに制限
これにより、企業は承認されたMCPサーバーのみを従業員が使用できるよう制御できます。
ワークスペース設定へのインストール
MCPサーバーをグローバルだけでなく、ワークスペース設定(.vscode/mcp.json)にもインストール可能になりました。チーム間での共有が容易になります。
認証の強化
Client ID Metadata Document (CIMD) 認証フロー OAuth 2.0の将来標準となるCIMDフローに対応。Dynamic Client Registration(DCR)よりも安全でスケーラブルな認証が可能になりました。
WWW-Authenticate scope step up OAuth 2.0仕様に従い、必要に応じて追加の権限を動的にリクエストできます。最小権限の原則に基づくセキュリティ設計です。
ビジネスインパクト
MCPの企業向け管理機能により、大規模組織でもAI機能を安全に展開できます。特に、コンプライアンスとガバナンスが重視される企業での採用が進むでしょう。
7. Python開発環境の改善
Python Environments Extension
Poetry対応の強化 python.poetryPathユーザー設定に対応し、使用するPoetry実行ファイルを指定できるようになりました。
dev-requirements.txtの自動検出 新しい仮想環境作成時に、requirements.txtとdev-requirements.txtの両方を検出し、依存関係を自動インストールします。
Copilot Hover Summariesの機能強化
Docstringとして追加 AI生成ドキュメントを、Add as docstringコマンドで直接コードに挿入できます。ドキュメント作成の効率が大幅に向上します。
ローカライズ対応 VS Codeの表示言語に合わせて、AI生成サマリーが提供されます。日本語環境では日本語でドキュメントが生成されます。
ワイルドカードインポートの変換
# Before
from module import *
# After (Code Actionで自動変換)
from module import function1, function2, Class1
コード品質を向上させるため、ワイルドカードインポートを明示的なインポートに変換するCode Actionが追加されました。
.envファイルのサポート
環境変数を定義する.envファイルの基本的なサポートが追加されました。
8. ソース管理(Git)の機能強化
コミットメッセージのフォールディング
{
"git.verboseCommit": true,
"git.useEditorAsCommitInput": true
}
エディタでGitコミットメッセージを書く際、セクションをフォールドして整理できるようになりました。
Graph View: 着信/発信変更の表示
scm.graph.showIncomingChanges: 着信変更を表示scm.graph.showOutgoingChanges: 発信変更を表示
アクティブなブランチの着信/発信変更をグラフビューで簡単に確認できます。
リファレンス比較
グラフ内の履歴項目を任意のブランチやタグと比較できるCompare with...コマンドが追加されました。
Repositories Explorer(実験的)
{
"scm.repositories.selectionMode": "multiple",
"scm.repositories.explorer": true
}
リポジトリビューに追加情報(ブランチ、タグ、スタッシュ、リモートなど)を表示する実験的機能が追加されました。
9. テストカバレッジのナビゲーション改善
未カバー行への移動コマンド
- Go to Next Uncovered Line – 次の未カバー行にジャンプ
- Go to Previous Uncovered Line – 前の未カバー行にジャンプ
テストカバレッジのギャップを素早く特定し、テスト品質の向上に役立ちます。
10. 認証機能の改善
拡張機能アカウント設定の見つけやすさ向上
Manage Extension Account Preferencesコマンドが、アカウントメニューに表示されるようになりました。
デバイスコードフロー
リモート開発環境で便利なデバイスコードフローに対応。他のデバイスでコードを入力して認証を完了できます。
アカウント管理コマンド
Accounts: Manage Accountsコマンドで、すべてのアカウントを一元管理できます。
11. 言語モデルエディタ(プレビュー機能)
VS Code Insidersで利用可能
主な機能
- すべての利用可能な言語モデルを一覧表示
- モデル機能(ツール、ビジョン、エージェント)の確認
- コンテキストサイズとマルチプライヤー情報
- モデルの表示/非表示を切り替え
フィルタリング機能
@provider:"OpenAI"
@capability:tools
@capability:vision
@visible:true
テキスト検索、プロバイダー、機能、表示状態でフィルタリングできます。
モデルの追加
インストール済みのプロバイダー(Anthropic、Azure、Google、Groq、Ollama、OpenAIなど)からモデルを追加できます。
まとめ: AI駆動開発の新時代への対応
VS Code 1.106は、単なるエディタのアップデートではなく、AI駆動開発の新しいパラダイムへの対応を示すリリースです。
企業が注目すべき3つのポイント
1. マルチエージェント管理の統合 複数のAIエージェントを効率的に使い分けることで、開発生産性が向上します。カスタムエージェントにより、企業固有のワークフローをAIに組み込めます。
2. セキュリティとガバナンスの強化 ツール承認機能やMCPの組織管理により、企業は安心してAIツールを導入できます。コンプライアンス要件が厳しい業界でも採用が進むでしょう。
3. 開発者体験の継続的改善 ターミナルIntelliSense、Diff Editor、Go to Lineなど、日常的な作業を効率化する機能が充実しています。これらは、開発者の満足度向上と離職率低下につながります。
株式会社フィールフロウの視点
生成AIコンサルティングを提供する私たちは、このアップデートを「AIネイティブ開発環境」への重要な一歩と捉えています。特に、以下の領域で顧客価値を提供できると考えています。
- カスタムエージェント開発: 企業固有の開発プロセスに最適化されたAIエージェントの構築
- MCPサーバー統合: 社内システムとの連携を実現するMCPサーバーの開発
- セキュリティ設計: AIツール導入時のセキュリティポリシー策定とガバナンス体制構築
導入を検討される企業様へ
VS Code 1.106の機能を最大限に活用するには、戦略的なアプローチが必要です。株式会社フィールフロウでは、生成AIを活用したシステム開発のコンサルティングを提供しています。
お問い合わせ
- 会社名: 株式会社フィールフロウ(Feel Flow Inc.)
- 所在地: 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷マークシティW22階
- 設立: 2025年4月1日
- 事業内容: 生成AIのコンサルティング、生成AIを活用したシステム開発、生成AIを用いた自社プロダクト開発
VS Code 1.106のダウンロードは公式サイトから。
本記事は、Visual Studio Code公式リリースノートを基に、株式会社フィールフロウのCTOが企業視点で解説したものです。技術的な詳細や最新情報は、VS Code公式ドキュメントをご参照ください。